ブロギングなう

毎日ブログを書けば文章力が上がるのかを検証中

独身税の根底に潜む「痛い」思い込み。「結婚・子育て=偉い」のか?海外の導入事例、ブルガリアの失敗など(あなたは賛成?反対?)

Sponserd Link

独身税ってなんですかwwww

子育て中の女性でつくる「かほく市ママ課」と、財務省の阿久澤孝主計官(元石川県総務部長)の意見交換会は29日、かほく市役所で開かれた。ママ課メンバーは「独身税」の創設や医療費削減に関する思いを伝えた。(中略)
メンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問したのに対し、阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。

引用元:かほく市ママ課「独身税」提案 財務省主計官と懇談 - 北國新聞

 

世のニュースはほとんどがバカバカしいのでいつも無視していましたが、流石に無視できない呆れるレベルのニュースです。

社会に蔓延する「結婚・子育て=偉い」への違和感も合わせて書いていきます。

 

<2017.9.2 追記>本ニュースが誤報と報じられています。独身税については2004年12月自民党「子育て小委員会」で柴山昌彦衆議院議員の提案を発端にポツポツ話題になっているものなので、本ニュースへの反応ではなく、一般論として受け止めてもらえれば幸いです。<追記終>

 

 

そもそも「独身税」とは?

 

独身税とは「独身者に課す税金」を指します。

「独身」であるだけで課される税金です。

 

日本では、独身税が導入されたことはありませんが、過去に海外で導入された実績があります。

 

独身税」の過去の導入事例

日本ではブルガリアの導入事例が有名ですが、世界各地で様々な独身税が導入された実績があります。

以下の国・期間に「独身男性税」や「子なし税」として課されていたようです。

古代ローマ(9年~不明)イギリス(1695年~1706年)、南アフリカ(1919年)、ドイツ(1923年)、イタリア(1927年~1943年)、ポーランド(1946年~1956年)、ソビエト連邦(1941–1990年)、ブルガリア(1968~1989年)、ルーマニア(1986年~1989年)

 参照元Bachelor tax - Wikipedia

古代ローマ時代から結婚・出産促進のための法律があったのは驚きです。意外に色んな国での導入実績がありますね。

 

近年のブルガリアルーマニアの事例をピックアップ

ブルガリア(1968~1989年)

労働力不足打開のための人口増加計画

・独身者の収入の5~10%を徴収

・結果として出生率は下がった

導入前は2.18%だった出生率が1.86%に下がり、効果があったとは言い難い

・失策の要因は、金銭的に余裕のない層がますます結婚から遠ざかったこと。独身税が高いので、お金をためることができず、結婚できない、子どももつくれない……と悪循環

引用・参考元:結婚しないと課税される!?ブルガリアの「独身税」 - 税理士ニュース|法律に関する相談なら「法律の窓口」へ

 

ルーマニア(1986年~1989年)

ニコライ・チャウシェスク大統領による「政令770」

45歳までの女性は、4人の子どもを産むまで中絶してはならないとし、14~15歳の中学生にも出産が奨励されました(政令770号)。これは、国家の労働力を確保するために2300万人の人口を3000万人まで増やすことを目的とした政策でした。

引用元:性を語る会

 

ブルガリアルーマニアも労働力不足の打開のために独身税を導入したみたいですが、大した成果もあげられず、むしろ経済を後退させる結果に。

 

独身税は、「人種政策」「労働力を増やすため」、「子育て世帯を援助するため」といった、それらしき名目で導入されますが、「子供がいない」という理由だけで制裁を与えるのは何だか違和感が残ります。

 

「独身」は既に社会貢献している

独身者は金を使わなくていいなと勘違いされますが、既に、既婚者よりも多めに税金を払っています。詳しくは以下の通り、

 例えば、所得税の扶養控除です。家族が多いと、その分だけ所得を控除されるので、所得税が少なくなります。

他には、社会保険でも所得を再分配する機能があります。健康保険の被扶養者制度がまず思い浮かびます。被保険者と違い、基礎保険料無しで健康保険に加入できるので、家族として被扶養者になっている人は利益を得ています。

あとは、子供を持つ人限定の遺族基礎年金も子供の有無で扱いが異なります。遺族基礎年金は一定の条件を満たす子供を持つ人しか受け取れませんので、子供がいない状況の人は遺族基礎年金を受給できない。

学校への補助金所得の再分配でしょう。子供を持たない人もその財源を間接的に負担していますから、子供を持たない人から持つ人へ所得が再分配されます。

民主党の鳩山政権の頃に実施された子ども手当は、露骨なほどの所得再分配です。


あえて子無し税というものを設けなくても、すでに子無し税に相当するものが色々と実施されています。公的制度に関心が薄い人は気づきにくいでしょうけれども。

引用元:子供がいない人は巧妙に損をするようになっている。(Tue.20150224) - 労務管理のツボをギュッと押す社労士です

 

もう十分ですよ。

名前も顔も知らない子供が通っている学校に国が「補助金」を出しているということは、納税を通して独身者も貢献しているわけですから。

 

独身は既にここまで社会貢献しているのに、他に何をむしり取られるのでしょうか。

  

「結婚・子育て=偉い」という「痛い」思い込み

独身税の是非をめぐる議論の根底には、「結婚・出産・子育て=偉い・社会に貢献している」というテーマがあることを無視できません。

 

世の中には色んな人間がいます。育児放棄された末に路頭に迷い、少年院を出たり入ったりする人間。大学を卒業し、大企業で働いている人間。大学卒業後にニート生活をしながら、親のすねをかじって生きている人間。生活保護を貰いながらあえて仕事をせずに暮らしている人間。

色んな人間がいるわけですが、どんな人間になろうが「親はとりあえず子育てをすれば社会貢献」になるのでしょうか。

 

「子育て=社会貢献」と考えている人に質問したいです。

「子育て=社会貢献」と言い切るために「どんな人間」に育つことを目指して子育てしているんですか、と。

 

「出産そのものが偉い」と考えている人には大変申し訳ないですが、子供を産むのは猿でもできます。別に偉くないです。また、生みたいと思っていても身体的な条件などの事情があり、産めない人もいるので、「産むのは偉い」と考えるのは少し乱暴だと思います。

 

産むだけで偉い、歳を取らせるだけで偉い、と考えているのは動物と何も変わらない。

 

更に「人間という種の保存に貢献している」という主張も、疑問が残ります。世界規模で考えると人口増加は止まらない状況です。世界人口100億人の時代も近いと言われ、水不足や食料不足が心配されるなか、何も考えずに生んで育てることは社会貢献なのでしょうか。

 

労働力不足の解消に関しても、日本は生産性の悪さが際立っています。頭数を増やさずに生産性を上げることで労働力の問題を改善できる余地はあります。更にAI時代突入で仕事不足も心配されますが、裏を返せば出生率を上げる必要が無いと捉えることもできます。

 

選択の自由を奪わないでください

「結婚・子育て=偉い」という自分の価値観を人に押し付けるのはやめてほしいと願うばかりです。

 

「子育てにはお金がかかる」と困っている人もいますが、そんなの子供を産む前に分かるわけです。こんな簡単な予測もできない人に育てられた子供が「社会貢献」なんてできるのでしょうか。

 

「貧乏人は子育てするなってことなのか?」という声が聞こえてきますが、そうです。「貧乏人は旅行に行くなってことなのか?」と置き換えて考えてみれば簡単です。

 

金がある人には選択肢がある、金が無い人には選択肢がない。その選択肢の一つに「子供を産んで育てるのか」というものがあります。

「人間だから子供を産まなきゃ」というのは勘違いにすぎません。個人的には、自力で責任を持って育てるだけの環境を整えられる人だけに育ててもらいたいと思っています。

 

しかし、人には選択の自由があります。私個人の意見は「自力で責任を持って育てるだけの環境を整えられる人だけに育ててもらい」ですが、上記の条件に当てはまらない人が「子育て」を選択することもありだと思います。だからこそ、自分の選択によって「貧乏」になった場合、独身に対して「援助しろ」と言うのも止めて欲しい。私のお金の使い方や生き方に対して口出しされることは余計なお世話だからです。

 

ところで、「結婚・子育て=偉い」という思い込みは一体いつ、誰によって刷り込まれたものなのでしょうか。

 

(242/365)←365日連続ブログ更新の記録更新中

 

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書)

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書)

 

  

お金にモテる独身女子  50のルール

お金にモテる独身女子 50のルール